
キャリアにおける価値観は、外的キャリアと内的キャリアに分けることができます。
外的キャリアとは、収入や地位といった目に見える要素も大切ですが、働きがい、人との関係性、自由度、安定性など、さまざまな側面が価値観に含まれます。
これに対して内的キャリアとは、何を大切にしたいと感じるのか、どのような状態に意味や満足を見いだすのかという内面的な基準のことを指します。
ここでは、価値観を整理するための代表的なフレームワークである「Will Can Must」を紹介します。Will・Can・Mustとは、自己理解やキャリアの方向性を整理するときに用いられるシンプルなフレームワークです。自分の内面と現実的な条件を三つの視点から見つめることで、納得感のある意思決定につなげることを目的としています。
価値観を整理する「Will Can Must」

「Will」は、「自分は何をしたいのか」という気持ちや価値観を表します。やってみたいこと、興味があること、大切にしたい働き方などが含まれます。将来の理想像や、仕事を通して実現したい思いを言葉にすることで、自分の方向性を見つめ直すことができます。Willは必ずしも明確でなくても構いません。小さな関心や、これまで楽しいと感じた経験から少しずつ見えてくるものです。
次に「Can」は、「自分には何ができるのか」という視点です。資格や専門知識だけでなく、これまでの経験の中で身につけてきた強みや得意な行動も含まれます。例えば、人の話を丁寧に聞けること、計画を立てて進めることが得意であることなど、日常的な行動も大切な要素になります。Canを考えることは、自信を高めることにもつながります。
そして「Must」は、「社会や環境から求められていること」を意味します。組織の役割、生活上の条件、家族との関係、経済的な状況など、現実的な要素が含まれます。Mustは義務というよりも、今置かれている状況を客観的に理解するための視点です。Willだけで進むことも、Canだけに頼ることも難しい場合があるため、現実とのバランスを考えることが重要になります。
この三つはどれか一つを優先するものではなく、重なり合う部分を探していくことに意味があります。例えば、やりたいことだけを追い続けると現実とのズレが生まれることがありますし、できることだけに目を向けると成長の機会を見逃すことがあります。Will・Can・Mustを同時に考えることで、自分にとって無理のない方向性が見えやすくなります。
Will Can Mustを書き出してみよう
Will(やりたいこと)
・将来像やロールモデル
・仕事を通じて実現したいこと
・理想の働き方や生き方
Can(できること)
・自分が活かしたい強み(=Can)
・逆に、克服したい弱み(=Can’t)
Must(すべきこと)
・社会からの要望
・身につけなければならないスキルや経験
・求められていること
時間軸とレベルの関係性

Will Can Mustを時間軸とレベルに整理するとこのような位置関係になります。
Will(やりたいこと)は未来に自分がありたい姿です。そのために、今の自分が発揮できる強みや理解している自己がどのようなものかを理解します。自分に今できること=Canの時間軸の延長にあるのが、Must(すべきこと)です。つまり、すべきことはWill(やりたいこと・ありたい自分)とのレベル軸のギャップとして考えることができます。
このように整理してみると、共通するキーワードや、新しい可能性に気づくことがあります。完璧な答えを出すことではなく、自分の考えを言葉にしていく過程を大切にしてください。









