
キャリアを考えるとき、多くの人が「自分に合う仕事は何だろうか」と悩みます。その疑問に向き合ううえで欠かせないのが、「価値観」という視点です。
キャリアにおける「価値観」とはなにか。
多くの人は自分の価値観を十分に理解できずに、転職や就職の判断に迫られます。この際、「自分が納得して決めた」という実感があるかどうかが大切です。それが、どのような価値観に照らし合わせて決定した結果なのかをよく理解しておく必要があります。
ここでは、キャリア心理学の視点から「価値観」とはなにかを考えていきます。
内的キャリアと外的キャリア
一般的に、価値観とは、何を大切にしたいと感じるのか、どのような状態に意味や満足を見いだすのかという内面的な基準のことを指します。収入や地位といった目に見える要素も大切ですが、働きがい、人との関係性、自由度、安定性など、さまざまな側面が価値観に含まれます。
前者は「内的キャリア」と呼ばれ、後者は「外的キャリア」と呼ばれます。
価値観は、正解が一つに決まっているものではありません。同じ仕事であっても、「成長できる環境」を重視する人もいれば、「安心して長く働けること」を大切にする人もいます。
どちらが優れているというわけではなく、その人がどのような経験を重ねてきたのか、その経験の中でなにを感じてきたのかによって、その形は大きく異なります。
キャリア心理学における「価値観」

キャリア心理学では、自分の価値観を理解することが、納得感のある意思決定につながると考えられています。
価値観は、生まれつき決まっているものではなく、経験を通して少しずつ形づくられていきます。例えば、学生時代の経験や初めての仕事での出来事、人との出会いなどが影響し、自分が大切にしたいことが明確になっていきます。また、ライフステージの変化によって価値観が変わることもよくあります。
若い頃は挑戦を重視していた人が、生活環境の変化によって安定を大切にするようになることもあります。価値観は確固たる自分をあらわすものではなく、人生の流れの中で変化していくものなのです。
価値観の見つけ方

価値観を理解するためには、日常の中で感じる「満足」と「違和感」に注目することが大切です。
仕事をしていて時間を忘れるほど集中できた経験や、逆に強い疲労感を覚えた場面を思い出してみると、自分が何を大切にしているのかが見えてくることがあります。充実感を覚える瞬間には、自分の価値観が反映されている場合が多くあります。
また、「優先順位」を考えることも大切です。すべてを同時に満たす働き方は難しいことがあるため、今の自分にとって何を最も大切にしたいのかを考えることが意思決定の助けになります。
例えば、成長機会を重視する時期もあれば、生活の安定を優先したい時期もあるかもしれません。その時々の状況に応じて価値観の重みが変わることは自然なことです。
まずは、完璧な答えを出すことではなく、「今、ここで、感じている自分の率直な思い」や、「自分の考えを言葉にしていくこと」を大切にしてください。









