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キャリア心理学検定

愛着理論とは何か

「愛着」と聞くとどのようなものを想像しますでしょうか?
日常では、物や人に対して「愛着が沸く」という言葉で表現されますが、
キャリア心理学の立場では「愛着」と「キャリア行動」には深い関係があります。

まずは、愛着とはなにか。愛着理論の観点から確認していきましょう。

愛着理論は、ボウルビィによって提唱された心理学理論です。人が他者との関係をどのように感じ、行動するかを愛着形成(アタッチメント)の視点から説明しています。
幼少期の対人経験を通して形成される「内的作業モデル(※1)」は、
安心感や信頼の持ち方に影響し、成人期の人間関係や働き方にも関連すると考えられています。

(※1)内的作業モデル(Internal Working Model: IWM)は、
乳幼児期に養育者との愛着関係(アタッチメント)を通じて形成される、自己や他者、世界に対する無意識のイメージや信念


愛着スタイルとキャリアの関係


エインスワース(Mary Ainsworth)によると、愛着の傾向は主に次の3つに分けられます。
これらは優劣ではなく、働き方や考え方の傾向として理解することが重要です。

安定型
・他者との信頼関係を築きやすく、挑戦や学習行動につながりやすい傾向
・新しい役割や転機にも比較的柔軟に対応できる

回避的傾向
・自立志向が強く、単独で成果を出す働き方を好む
・一方で、支援を求めることに慎重になる場合もある

不安的傾向
・評価や関係性に敏感になりやすい
・職場環境によってモチベーションが揺れやすい

そして、これらの愛着の傾向は、
職場での対人的な関わり方やキャリア選択にも影響を与えることがあります。


愛着理論と探索行動


探索行動とは、新しい情報や経験を求めて環境に働きかける行動を指します。
心理学では、人が未知の状況に関心を向けたり、学習や挑戦を通して可能性を広げていく過程として理解されます。
キャリア心理学では、自己理解や職業理解を深めるための重要な行動として位置づけられています。

キャリア場面では、次のような行動が探索に含まれます。

・興味のある仕事について調べる
・新しいスキルを学ぶ
・異なる働き方を試してみる
・人との対話を通して視野を広げる

適切な愛着が形成されると、
親を安全基地として多くの探索行動=挑戦をしやすくなることがわかっています。
これは、職場での挑戦行動やキャリア形成に関する行動の傾向にも通じています。


キャリア行動への示唆

愛着理論は、単に対人関係を説明するだけでなく、
「どのような環境で自分が安心して挑戦できるか」を理解する手がかりになります。
キャリアの選択や転機では、仕事内容だけでなく、人との関係性や心理的な安心感も大きな要素になります。

・信頼できる関係があると探索行動が広がりやすい
・安心感は新しい学習や挑戦へのエネルギーになりやすい

例えば、以前の上司のもとでは活力をもって働けていたのに、上司が変わってからどうも挑戦する意欲が起きない。安心して仕事ができない。
とすると、それはアタッチメントスタイルに影響を受けているのかもしれません。

大人になってからのキャリア行動であっても、自分の内面を深めてみると、
実は幼少期からのアタッチメントスタイルが大きく影響していることがあります。


キャリア心理学から見たポイント


今回見てきたように、
キャリアは心理的な安心感や対人関係のスタイル=アタッチメントと深く関わっています。とくに、人間関係の悩みや挑戦場面ではアタッチメントが影響しやすいとされています。

自分の愛着傾向を理解することは、
「どのような環境で力を発揮しやすいか」を考えるヒントになります。

生まれてからの愛着形成のあり方を見つめ、今の自分の行動との関連を考えることで、
「自分の行動の意味」を理解することに繋がるのではないでしょうか。

人との関係に悩んでいる方や、働き方の迷いを感じている方は、
ぜひ、アタッチメントの視点から今一度、振り返ってみましょう。

キャリアや人間関係に対する新たな理解につながってくるかもしれません。

 


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