
キャリアの悩み。その本当の意味を深めていくと、「人間関係」に至ることが多いのではないでしょうか。どことなく居心地が良くなかったり、嫌な気持ちがする。その背景にあるものが、人との関係性のあり方です。
悩みの深くにあるものを必ずしも「人間関係の悩み」だと結論づける必要はありませんが、キャリアの悩みには、人間関係の悩みが介在していることが多いのも事実です。そんなときに見直したいのが人とのかかわり方です。
アサーションとは、自分の考えや気持ちを率直に表現しながら、同時に相手の考えや気持ちも尊重して伝える自己表現のあり方を指します。
対人関係においては、
「言いたいことが言えない」
「伝えたつもりなのに伝わらない」
といった場面がありますが、その背景には自己表現の偏りがあります。
アサーションは、このような対人関係の課題に対して、自分と相手の双方を大切にするかかわり方として注目されています。
対人関係における自己表現は、大きく三つに分類して理解することができます。
アサーションタイプ
非主張的
ノンアサーティブ
自分の意見や感情を抑えてしまう非主張的なあり方です。この場合、相手との衝突は避けられるものの、自分の中に不満やストレスが蓄積しやすくなります。
攻撃的
自分の意見を一方的に押し通す攻撃的なあり方です。この場合、自分の要求は通りやすくなりますが、相手との関係が損なわれる可能性が高くなります。
アサーティブ
アサーティブなあり方は、自分の考えや気持ちを率直に伝えながら、相手の立場や感情にも配慮し、対話を通して調整していくかかわり方です。非主張的でも攻撃的でもない第三の自己表現です。
アサーションは技術ではなく「考え方」

アサーションは、話し方の技術ではなく、人(相手)をどのように捉えるかという考え方に関係しています。対人関係においては、自分の考えを優先するか、相手に合わせるかという二者択一に陥りやすいものですが、アサーションはそのどちらかではなく、自分と相手の両方を尊重します。
人はそれぞれ異なる価値観や感じ方を持っており、その違いを前提としたうえで関係を調整していくことが「アサーティブ」というあり方です。アサーティブな表現では、相手を非難するのではなく、自分がどのように感じているのか、何を求めているのかを明確にすることが求められます。
例えば、「どうしてできないのか」と相手を責めるのではなく、「私はこの点で困っている」「こうしてもらえると助かる」といった形で、自分を主語として伝えることが重視されます。このような表現は、相手との対立を避けながらも、自分の意図を明確に伝えることができるようになります。
相手への伝わり方が変わると、相手が自分に対して抱く印象も変わり、その結果として人間関係のかたちも変化します。もっといえば、そのかたちによって職場に対する居心地や、キャリアに対する考え方も変わってくるのではないでしょうか。











